納豆の糸
いわゆる納豆は室町時代か、桃山時代に出来たとされている。
馬の背に乗せていた大豆が腐ってしまったわけだが、その
腐った大豆を食べてみたところ、不思議と美味かった。
さらになんだか元気になった気までしてきた(実際元気に
なったんだが)というわけで、今まで残っているようだ。
これが各地に伝わっていったということらしい。
なんかさらに調べると、大豆発酵食品そのものは中国雲南
が起源らしいが、糸引きはどうかよくわからない。
さて、この納豆の糸だが一体何から出来ているかというと
ポリグルタミン酸と多糖類からなる。
面白いことに、納豆の糸の中にはD-グルタミン酸が含まれて
いるというのだ。
D-体、L-体の説明はこちら。
この納豆の糸、恐ろしい性質を持つ。
なんと、地球上でもっとも伸びる糸なのだ。
平気で100mは伸びる。オクラの糸(15mくらい伸びる)の数倍だ。
で、この糸の性質を利用してみようと考えた人がいる。
この納豆の糸にガンマ線を照射すると樹脂になるそうだが、
この樹脂、そんじょそこらのポリマーの数十倍の保水力を
誇る。体積比4000〜5000倍の水を吸い込むのだ。ひえぇ。
以前から保水性高分子ポリマーを利用した砂漠緑化は
考えられていたが、なんせ生分解性は低いし、保水力も
十分じゃないので使用に耐えられなかった。
しかし、この納豆の糸、生分解性もあり保水力も高い。
最大のネックは生産コスト(ガンマ線照射)だが、それも
いま解決しそうだという。
そのうちあれだ、砂漠緑化以外に赤ちゃんの紙おむつや
生理用品にも応用できそうだな。
それをマタ砂漠緑化に利用。すばらしい。